20150320

心の井戸










朝の村内放送で、船便で届いた鶏肉が行方不明になったと流れました。

ダンボール一箱だそうです。青ヶ島です。

約1週間テレビが写っていませんでした、、、が、

その分自分を省みる時間が生まれました。心の井戸掘削中です。





先日体育館に用事があって帰り道。信号を渡ると、地図の前に旅行者が。

あいさつをすると、いろいろ質問されて、話が切れなくて

ちょっといらっとしてしまいました。



なんか興味本位で聞いてくるのが鬱陶しくて、メモ帳にぎっしりなのも感じ悪くて

島のこと知ってるような感じで話されるのが鼻について、、




って、ああこういうの自分もやっているなぁ。。

もうすぐ2年経ちますが、島のことを知っているように語ってしまう僕がいます。




分かったような気になっている、そういうことがあります。

とくに細かいことは関係なく、おおらかに包んでくれることがあります。

ここは踏み込んではいけないな、と感じていることもあります。

むしろ、そういうところが醍醐味。


という訳で、いろんな懐の深さに支えられて、今があるのだな。





「島にいいイメージをもって帰ってもらいたいから」


できるだけ旅行者には愛想よく接しているとは、村の若大将の言葉。


そういう意味では、自分の懐の奥行きのなさが残念でならない。







「八丈には10回ぐらい来たことがあるけど、やっと来れた」



ちょっとメンドくさくても、こういう人も大事にしないといけないなあ。






明日は、島の卒業式です。

この春、15の旅立ちを迎える中学生にとっては、すごく特別な1日です。

島の人々にとっても、大きな意味のある行事です。

そういう空気を直接感じることは、島を知るための重要な要素になるのでしょう。







明日は、本当に素晴らしい1日になるでしょう。

風の薫りが変わってきました。

やっぱり春ですね。

中学を巣立つ教え子たちも、春の薫りを味わいながら、新たなスタートを切ります。

会いにいけないのが歯がゆいですが、卒業おめでとうございます。





















20150308

ただ、会いに行く








いのちを大切にしていますか?



ひきょうなことはしていませんか?



努力をしていますか?









この春、小学校を卒業する君たちは、とても思いやりのある子どもたちでした。


自分よりも友達のことを大事に考えられる、本当に心の優しい子たちでした。


その優しさ故に、悩んだり、傷ついたりすることもありました。


それでも諦めず、手を取り合い、許し、答えの出ない問いと向き合う。


仲間を信じようとする君たちの姿がありました。


みんなで笑い合った時間は、本当に輝くような思い出です。








この春、中学校を卒業する君たちに、小学校1年生で出会い、


人生観や人間性が180°変わったように思います。


誰もが伸びていきたいと望んでいる。誠実に向き合えば、真っ直ぐに返ってくる。


本当に人間らしく過ごし、笑った一年間でした。


君たちに出会っていなかったら、この仕事を辞めていたかもしれない


と、案外本気で思っています。








この春、高校を卒業する君たち。


「毎年が最高なんですよ。」いろいろと息巻いていた僕にくれた一言。


どうでもいいことに拘っていたのは僕だけでした。


自分が小学生の時、こんなクラスだったらいいなと思えるクラスでした。


卒業してからもたくさん連絡をくれたり、会いに来てくれたり、ありがとう。


どこでだって、誰とだって、其処を最高の場所にしてみせます。







もう、成人を迎えた君たちには、謝りたいことがたくさんあります。


でも、会って話した時、意外とそんなこと気にしていなくて、


自分は当時、たくさんの贈り物をもらっていたのだ気付きました。


ぜんぜんお返しできていないことを、未熟さとかで誤魔化すのではなく、


これからも、未来に返していかないといけないよね。


一緒に飲んで、語れる年になりましたね。









もちろん、先生も、保護者の皆様も、地域の方々も、、、、





やっと、気が付きました。



過分な言葉なんかいらないってことをです。



見れば分かります。きみたちの過ごしてきた日々くらい。



だから、



改めて話すことなんて、何もなくなってしまいました。



ただ、ただ、笑みがこぼれてきました。



感謝ってのは、そうした時に湧き上がってくるものなのですね。







そんな自分にできることはやっぱり、



ただ、会いに行く。




そういうことだったのだと思います。





命を大切にして、ひきょうなことをせず、努力を怠らない



そういう人間であります。






9年間の感謝を込めて! ありがとうございました!!






20150302

駐輪場から見上げた空











毎朝、この場所から空を見上げていました。



自転車で通った道。駐輪場から見上げた空。いつもと同じ空。



どちらかと言えば、曇った日も多かったはずです。



でも、思い出すのは、満開の白と、その背景に広がるぼんやりとした青。



季節は巡り。多くの人と出会い。多くの人が去り。



前任校でもった最後の教え子たちが、この春に卒業します。



それ故、自分がそこに戻る理由がなくなってしまいます。



10年前に訪れたこの場所から、ようやく卒業です。






また新しい季節が訪れ、別れ、出会う。



そんな春の日に見上げてきた、満開の桜。同じ景色。



その繰り返しに、ずっと留まり続けることに、



耐え切れなくなっていたのかもしれません。



世界に飛び出しの動機の一つは、そんな単純なことでもありました。



自分を成長させてくれたもの。



学校は、子どもの頃も今も、変わっていません。






会って、どんな言葉をかければ良いのだろう、などと考えていましたが



何が何でも会うってのが、実は大事なのだと気付きます。



で、なかなか会えないんですけどね。。筆不精な上に。



いろいろ支えてくれる人たちに、感謝です。



手紙をくれたり、電話をくださったり、本当に本当に温かいです。








駐輪場のあった場所には、貯水タンクができて、



同じ景色を見上げることはできなくなりました。



でも、帰る場所は、いつだって其処にあるのだと思うのです。












最近、教え子のお姉さんが、教育を志しているということを聞きました。


そういう話を聞くのは、一番嬉しいことです。


強い意志と、希望に満ちた未来です。