20100829

本当に必要なもの





 初めての買い物 = 塩・油・しょうゆ・洗濯用洗剤
 





生活していく上で必要なものをじっくり考えたけど
店の棚に並んでいたのは ほとんどが「無くても特に困らないもの」ばかり

そういえばマドリーの地下道で荷物を全部盗られた時
大使館から借りたお金でまず買ったのは
 = はぶらし・下着・靴下、そして大量のオレンジとパン


生きるためには何が必要なのかというぎりぎりの選択は 案外そんなもの

東京で暮らしていた30年間 身の回りに溢れていたのは
多分そのほとんどが 「あったらいいな」って物ばかり

シンプルに生きることで 「本当に必要なもの」が見えてくる


心の豊かさとは多分そういうことかもしれない


でも「あったらいいな」で豊かな生活が成り立っていることも事実
「豊かな生活」の中で 「本当の豊かさ」を見つめられるようになりたい

いただきもののオレンジと卵、そしてあったらいいなの日本米(さすがサンファン!)


改装中の部屋に住みながら プレッシャーをかけ続け 部屋の改造も(ほぼ)終わり

本格的な生活がいよいよ始まる

20100827

言葉の引き算









小学校教師をしていた時 気をつけていたことがある





言葉を伝えるためのコツ とも言うべきか


それは説明はなるべく短く そして分かり易く ということだ


準備をしてなければしてないほど 話はくどく 長くなってしまう


長い文章で気持ちを伝えるのは わりと簡単だ


言葉を足し算していけば 自然と言いたいことは説明しつくされている


しかし難しいのは 短い言葉で要点を伝えるということ


長ーい校長先生のお話は 耳から耳へスルーするように


みんなだんだん飽きてきて 聞く気もなくなって 


子どもは正直だから そのうち自由に遊びだす



話も文章も できるだけ簡潔にムダをそぎ落とし 研ぎ澄ましていく





言葉の引き算





本当に言いたいことは 本当に短い言葉で十分に伝わるはず

                             自戒をこめて次回へ

20100825

ひと月45Bs.の幸せ





ボリビアでは今 古着の輸入が禁止されている

安く大量に輸入されてくるアメリカ製の古着から
国内の服飾産業を守るためだ
他にもアメリカ資本に頼らないような政策をとる現政権

でもふつうに町では古着が売られてたりするし
祭りの日の背中に自由の女神を見ることもある
あれっ 確か今日は建国記念日のはずじゃ、、、

ラパスやサンタクルスの発展ぷりを見たら
この国が大きな近代化のうねりに乗っていることは一目でわかる
そして それとは対照的に
路上で目にする人たちや 聞き知るところ人々の暮らしの格差
それがゲバラの言った「農村の現状」と変わらぬ この国の現状だとしたら
「 高地に住むある一家の収入減は ただ一つ
飼っているアルパカの毛を刈って 月に一回市場で売ること
ペルーとの国境にあるその市場にその毛を運び そして
                                       安く買いたたかれる 
ひと月たったの45Bs.
家で待つ子どものためにあめを一袋おみやげに買って帰る夫婦
そして一つだけもらったそのあめを 愛おしそうになめる子どもたち 」
そんなドキュメント番組が以前 放映されていたそうだ
ぼくはその毛を市場まで運ぶキモチも
子どもたちへのおみやげを選ぶ夫婦のキモチも
あめ玉を大事に大事になめる子どもたちのキモチも
想像はしてみるけど 多分きっと分からない
かわいそうだとは思うけど 多分きっとその一家助けることはしない
            (目の前にいたら手を差し伸べるだろうが)
ひょっとしたらこの親子の間には ぼくらに想像なんかできないくらい
辛く切なくどうしようもないような感情に苛まれているのかもしれない
そして ひょっとしたら遥かに幸せな瞬間が訪れていたのかもしれない
想像はするけど 同情はしないようにしている
でもやっぱりかわいそうだと思うし 憤りも感じるが
きっと 少し時が経つとその感情は薄れて
忘れてしまうに違いない
まずは「知る」という言葉で 少しでも
目をそらさずに見据え 考えて 伝えていくことで一歩ずつ
「無関心」と対極にある「やさしさ」をもち続けていたい
「ゲバラの思想はボリビアの農民には受け入れられなかった」

こんなセリフで映画はしめくくられていたけど
今のボリビアを見たら 彼は何を想うだろう
でも 良くも悪くも 細かいことを気にしないのが
この国の人々のいいところ である
が それだけで片付けてはいけない課題も
山積みされているように感じる
ただ願わくば 互いの幸せを分かち合えるような社会であれば
                                  それでいい
※ 1Bs.=約13円

20100820

グローバリゼーション




「パレードの様子を写メる女の子」





南米最貧国とか言われているが この国は
けっこう発展していると思う
むしろ問題なのは 富の再分配と格差(とてつもなく大きな)の問題
ラパスやサンタクルスの中心街を眺めると その大都会っぷりに驚く

世界中が同じように 近代化・都会化している
子どもたちはメディアを通して よその国の文化や価値観にふれ
気が付いたら世界中どこに行っても同じ風景 なんてことに

グローバリゼーションの波に抗い
他民族共生を旗印に 民族の独自性を謳うボリビア
しかしそれは 経済的な発展とのバランスが重要で
教育の目標もそこにあるのだとカウンターパートのドナイレが言っていた


この国には経済的な指標では量れない
別の豊かさが 確かに存在しているのを感じる
その目に見えない何かを しっかりと日本に持って帰りたい

ランボーの子どもたち







お祭りの日には家族総出でお出かけ
家族が集まったらやっぱり 記念写真


一眼レフを持ってうろうろしていると
写真屋さんと間違えられて
「撮ってくれ」「1枚いくら?」と聞かれることもしばしば



カメラはコミュニケーションツールだと思っている

写真を撮るという行為を通して対象とつながる
相手といい関係が築けていればいるほど

いい写真=いい表情が撮れる


餞別として 卓上フォトプリンタをいただいた
フルに活用して みんなに喜んでもらっている
ジャパネット平川さんを始め成丘OB会に感謝!!


ボリビアの人たちを写真で撮るとき
当然ですが写真慣れなどしていないので
どうしても真顔だったり キメ顔キープになってしまう

自然な表情を引き出すのが中々難しい


"risa" "ria"


「笑顔で!」とか「笑って」とか言ってみるも
松田優作が言うように
おもしろくもないのに笑えるはずもない


苦労の末編み出したスキルを参考までに
大人→撮った写真の確認画面を見せてほめる(大げさに)
子ども→くすぐる                    以上。



ちなみに写っているのはランボー(に似ているからついたあだ名)の
奥さんと娘たち
お父さんランボーなのに子どもたちなんてかわいんだろう、、!

食いしん坊万歳



イベントが始まるとどこからともなく集まってくるのが
のら犬と様々な屋台




この日は特に暑かったせいかアイスやかき氷が人気だ

かき氷をふと よーく見てみると
赤・黄・緑の3色のトリコロールがごちゃ混ぜに、、
愛国心・多民族というボリビアを象徴するようなこの一品
でも計画なく足し算して いったい何味かわからなくってるところも
、、、なんか ボリビアっぽい
ちなみにこのお姉さんはポップコーンを売っています
他にも駄菓子や袋詰めのジュースから軽食まで
見渡してみると なんか食べたり飲んだり
みんなよく食べるし よく飲むなぁ
でも 発つ鳥跡をにごしまくり

Hay que limpiar,,,no?

後進国否行進国です




大きなお祭りのメインイベント
必ずプログラムの最後に組み込まれているのが


"Desfile"  パレードだ
お偉いさんたちが 行進!
元気よくマーチングバンドが 行進!
それぞれ最高のおしゃれをして 行進!
園児も小学生も中高生も先生方も 行進!
色とりどりの衣装 洗いたてのシャツで 行進!
ボリビア国旗のトリコロールをあしらって 行進!
昨日道路にペンキで引いた線に合わせて 行進!
幼稚園生はめっちゃ下の線を気にしながら 行進!
いつもはルーズな市役所職員もお揃いのシャツで 行進!
JOCVは一張羅の 紺ジャケで 行進!
バイクも 行進!
タクシーも 行進!
なぜか犬もまぎれて 行進!
町の中心広場を 行進!行進!

決して後進はしない
前進あるのみ
願わくばこの国の前途も そうあって欲しい
行進大好きボリビアーノス! 胸を張って前へ、、!

20100808

8月6日





 8月6日 "Seis de Agosto"


この日はボリビアにとって とても重要な一日である


町中に飾られた 鮮やかな国旗
市制記念日より入念に重ねられた準備
前日夜に催された提灯行列
祭りの始まりを知らせるノリノリの音楽
広場に集まるたくさんの人 そしてのら犬
フェリアのように色とりどりの出店
とにかくハデに彩られた車
この日のために練習を重ねたマーチングと行進
スーツすらめったに見ることがないのに この日は礼服
子どもを指導する先生たちの真剣なまなざし
そしてちょっとアき始めている子どもたち

でもどこかほこらしげだ

国歌の中に「どれいとして生きる前に死を!」という一節がある
独立したこと 一つの国として存在すること
このことがどれだけ大きな意味をもつのか
この国の人たちがヒロシマを知らないように
外国人であるぼくたちもその重さを知らない
だからこそ歴史や文化を理解し 想像することが必要なんだろう

難しいことは後にして まずは食べ物を飲み物を味わうことから

そして祭りの後にはやっぱり、、フットボール!!

20100805

ノリとコツ





チュラスコ兼誕生パーティーの1コマ


お約束のケーキに顔をドーン
ちょっとかわいそうな気もするけど 
むしろ自分から行くのが サンファン流
結婚式では、新郎をプールにドーン

日系の方々の生き方も豪快だ

確かに日本を離れ 地球の裏側に新しい町を作ろうなんて
並みの覚悟じゃ踏み出せない一歩
今から50年以上も前に
道もないジャングルを切り開き
一から築き上げた サンファンの町
冒険野郎の血は今も生きづく
少しのことでは動じない 骨太の生き方
                   そしてもう一つ 全てを笑い飛ばす ノリ

それがこの国で楽しく生きるコツなのだろう

ノリが生きてる町 サンファン
ノリで生きてる町 サンファン

カンバの歩調







   コレヒオでフットサル×4回 
    カンチャでサッカー×2回
    あるって言ったのに やっぱなくなった試合×2回
    極寒盆踊り×1回
    卓球×2回
    南中ソーラン節×2回
    チュラスコ(焼肉)×2回
    カラパリ(ラパスの伝統料理)×1回
    誕生日パーティー、そしてケーキを顔にドーン、、×2回
    市長の顔にだってケーキ、、×1回 
    上下水道が爆発×1回
    建物に閉じ込められ 壁を越えて脱出×1回
   部屋に置いておいたコーラがアリに、、×1回  
漏電シャワーでしびれる×しばしば
    写真を撮ろうとして犬にがちでほえられる×1回
    引っ越し×3回
    教会でのお葬式×1回
       転んで卵をわる そしてくつひも切れる×1回
     職場に行ったのに 結局だれもこなかった×1回
        カウンターパートに強く主張×1回
カウンターパート風邪をひく×1回
    シゴトらしいシゴト×今週からやっと始動!!
停電×しばしば
    きれいな夕焼けと星空×晴れればいつでも
そして出会い×数知れず
日々を楽しむこと 周りにいる人間を大切にすること

空の五線譜に合わせて 歌いながら生きている
「ボリビアだから」で何だか納得の日々
それを"flojo"と言う人もいるが
カンバの歩調に合わせて 少しずつ 歩んでこうか

7月13日(火)にサンファンについてから 3週間の記録



心の風景








いつかきっと ありふれてしまって

見慣れてしまうんだろうけど

この風景を この空の色を 今の新鮮な感動を

いつまでも 忘れないでいよう

いつか東京に帰って ふと

空を見上げた時 思い出すような


心の風景


そんな景色をいくつ心の中に いくつもつことができるか

それがきっと 人生を豊かに生きる

ということ