Parque francés, Buenos Aires, Argentina 14/01/2012
昼過ぎから夏雲の青空に暗い雲が立ち込めてくる。
埃交じりの雨のにおい。重く立ち込める雲間を鳥が翔る。雨が近い。
しばらくして雹交じりの大粒の雨が降り出す。
そうだ。今は雨季なのだ。
屋根を打ち付ける雨音に、オフィスのみんなは何をするでもなくテラスへ集まる。
それぞれ空からこぼれた氷の粒を手に取り味わったり、ただぼんやり雨を眺めたり。
この時間の流れ。
ボリビアに帰ってきたなぁ。しみじみとそう思った。
長い休みの間に随分と人が入れ替わった。いや、いなくなった、と言った方が正確か。
うちの相棒さえ今はここに居ない。
新年の始まりとしてはいやにのんびりと、そして閑散とした午後。
~ 雨は激しく大地を打ち付け始める ~
先週末、Fin del Mundo(世界の終わり)からサンファンに戻ってきた。
飛行機を降りた時の独特の空気。湿気混じりの熱風というべきか。
「 帰ってきたなぁ 」と妙な感慨にふけってしまう。
たった1年半たらず。でも「やっぱり家がイチバン」と思えてしまうのはなぜだろう。
治安だってきっと旅をしてきた国よりもわるいはずなのに。。
ちょっと間が空いてしまったが、 ¡Feliz año nuevo!
町で会う人会う人に、遅ればせながらの新年のご挨拶をする。
~ 2度目の停電 ~
「 旅は楽しかった? 」 と、聞かれそれはもちろん間違いなく楽しかったのだが、
何ていうか、やっぱりボリビアはすごい!と思ってしまった。
今まで住んでいて結構当たり前になってしまっていたのだと思うが、改めて久々に、そして旅人目線で眺めてみると、この国はすごい。おもしろい。
コーラの値段が3分の1だったことはさておき、アルゼンチンやブラジルにはないおもしろさ(つっこみどころと表現しても良い)が満載されていることに気付く。
確かに雄大な自然、美しい風景、歴史ある街並み、語り尽くせぬすごくいい画との出会いがあった。
そしてどれもきれいに整備され、より快適に、より洗練されたかたちで旅人の目を癒し心を満たしてくれた。
でも、思った。
きっと他の国の有名な観光地に行っても、その見所が違うだけできっと同じなんだろうな。
多分世界の他の場所でも見られる街並み。都市化する、近代化するとは、均一化することとほぼ同義なのかもしれない。
「 幸せのかたちは似ている 」
と言うように、人々が幸せ(便利さ)を追及していくと、世界はきっと同じようになってしまうのだろうなと思った。
でもそういうのは旅人の感傷であって、実際住む人が選ぶことでありそれが真っ当なことだ。
例えそれが「世界の終わり」と呼ばれる場所であったとしても、住民が世界標準(とあえて呼ぶ)のゆたかさを求めることを咎められるはずがない。
「 不幸のかたちは様々 」
そしてその裏には、それぞれの土地がもつ多種多様な問題が潜んでいるのだろう。
旅人はただそれを一つの側面から眺めるだけ。
ボリビアにしばらく住んで感じたのは、その「幸せのかたち」ってやつが今まで思い描いていたものとどうやら違うのではないかということ。
家族や友達、自然が大事というのは一緒なのだが。
なんていうかそういう意味で(それが途上にあるだけなのかもしれないが)、ボリビアはおもしろい。
この国にしかない衝撃がある。この国”らしさ”がある。
この国にある不幸、というか不運(不遇?)も住んでみて分かったことだ。
ぜひボリビアを旅をしてほしい。できるだけ若いうちに。
この国はおもしろい。
ただ国境を一つ越えるだけで物価が超安くなるフシギ。
そうそう、一番は空の青さ。
自分の住む町、サンファンの空がどこで見た空よりもイチバン青かった。
雲の濃さ、砂道の照り返し、雨が空を洗い流したということもあるのだろうけど、この空の青さ。
すごく夏っぽい。
きっとこの長い夏を、一生忘れないだろうな。
この空の下で良かったと、心から思った。
~ 雨、未だ止まず ~
待つということ、そして止まない雨はないということはここに来て学んだことだ。
そして、激しければ激しいほど意外にあっさり止むということも。
そしてさすが雨季。今やすっかり夏草の道。
カンバの大工仕事に比べて、伸びの早いことといったらもう。
San Juan, Santa Cruz, Bolivia 15/01/2012
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