20120303

骨折ヒーロー









小学校の頃は保健室通いの常習者だった。


特に勉強がきらいだったわけじゃない。

クラスに友達がいなかったわけじゃない。

先生と合わなかったわけじゃない。

ましてや、保健の先生に会いにいくなんてませた考えはなかった。



ただ何か一人でぼーっと物思いにふけれる時間。

みんなと同じ流れからはずれることの心地よさ。




なんとかして保健室行く口実を探した。

手っ取り早いのは「熱が出た」で、客観的にも文句のない理由である。

ただこの熱というのは気まぐれで、必要な時に限って出てくれない。

こりゃ絶対ネツあるだろうって時に限って、体温計は平熱を表示する。

丈夫な身体に生んでくれた両親に感謝せねばいけない。





さてさて、そんなものでめったに熱など出ないものだから、ついつい周りに吹聴してしまう。

骨折をして三角巾や松葉杖で登校すると、クラスの注目を集められるというあれに近い。

心配してほしい、というよりも珍しいことなので調子にのってしまう、という方が正確だろうか。



そして、余計にがんばってしまう。

自分の身体のことは自分が一番よくわかっているので、つらくてもまだイケるというのがわかる。

実際、かなりしんどくても本当にがまんできないレベルではない。

男としてはそういう方が断然かっこいい、と思っている。


残念ながら、発想は小学男子と変わりがない。




そして、周りに心配をかけてしまう。

以外に本人が病人らしくなくけろっとしているから、あきれられることもあるだろう。

あぁネツあるって言わなきゃよかったなと、後で少し後悔する。




でも先生は学校を休めない。

正確には、休む権利はあるが、責任感と使命感と周りへの迷惑を考えると、調子が悪い位では休まない。

体調管理もプロ意識の内だ。



そして、今の自分にしかできないこと、今のタイミングでなければならないこと。

今の生活にはそういうことがたくさんある。




昨夜、38.7を見て安心した。

調子はそんな悪くなかったからだ。これぐらいならまだいける。


目覚めたら、Tシャツが汗びっしょりだった。

体温は平熱に戻っていた。



この2年間で初めての発熱。このタイミングで起きたのも必然がある。

12時からと17時からの南中ソーラン節の練習。今日の実働は2時間。

虚勢をはって身体を奮い起こしたものの、それが限界。




中学生の頃、サッカーの試合中に足を怪我して病院に運ばれたことがある。

都大会の初戦。案外本気で全国狙えると思っていた。

この試合に、うちのチームは負けた。

骨折したボクはヒーローにならなかった。

病院にいっても全く、心は休まらなかった。


今の自分もそうだ。部屋の天井を眺めていても、全く気が休まらない。




ヒーローでなくていい。

ピエロでもいい。

それが、人々の笑顔をつなぐ力になるのなら喜んで。

そして最後の瞬間までグランドに立っていること。どんなにかっこ悪くても傷だらけでも。

そういうやつをヒーローと呼べばいんじゃないかな。




汗をかくことと、子どもたちの笑顔がクスリになっている。

そして心配してくれる人の想いも、やっぱり嬉しい。

がんばってるってことを、知ってくれてるだけで嬉しい。

そういうことが、どこかで明日に結びつくことを知っている。



「次の練習はいつかって、ずっと聞かれてたよ。」

「うちのクラスにはいつ練習にきてくれるの?」

「私たちも踊りを教えて欲しいのだけど。」



こうした生活の一つ一つの場面に、幸せを感じている。




写真は今年の元日の初詣。サルバドールのボンフィン教会で。

風に揺れるボンフィンのお守り。

日本だと1本200円。こちらだと10本50円以下。


足首に、黄色と白を巻いた。

緑のエアフォースワンとあわせると、サンファンカラーのトリコロールに。

結び目の一つにはサンファンの未来を託した。





明日は朝から練習をして、9時半からのサンファン学園の練習と合流する計画だ。

他校の練習を見て何を感じるか。

差を思い知るのか、それとも自分たちのモチベーションに換えるのか。



交流イベントはもう始まっている。

1 件のコメント:

  1. 26日私も伺いますと言いながら風邪を引いてしまい、結局子供だけの参加になってしまいました。先生とまたサッカーができた事とても喜んでました。私も会ってお話したかったのにとても残念です。無事息子くんも卒業し春からは中学生。先生も日本での新しい生活が始まるのかな?またお会いできるのを心から楽しみにしております。

    返信削除