島の丘陵のなだらかな斜面に、さわやかな白が現れ始めると、
今年もやっぱり訪れていた、春を感じます。
「ああ、あんなところに桜の木があったんだ」
外輪山の壁面にも、大島桜だかグミの白い葉だかの塊が春を彩る。
でも、絶対に其処に近づけないところがいい。
人の手の届かない美しさ。
集落にもけっこう島桜の木はあるのだが、他の木や蔦と群生しているので、
一見して桜とは分からない。
そして、それが植えられたものではないということがよく分かる。
ありのままの自然。
ありのままの春の訪れ。
天明の大噴火より前から変わらぬ季節の移ろい。
あえて、というか、手入れをしていないところが実に潔い。
さて、そんな桜も先日からの天気の崩れで、あっという間に花を落としてしまった。
そして、梅雨時のような霧、、、
天気の良い日に撮りに行こう、なんて思っていたが、ほぼ葉桜に模様替えしていた。
自然は思うようにいかない。
1年後、またこの桜を見られる保証はない。
いよいよ明日は始業式。そして、入学式。
今日の練習で号泣してしまった、ピカピカの1年生。
大丈夫。明日は晴れるよ。
人生で二度とはやって来ない日を、またとないハレの日に。
島桜の白と黄緑が、青空によく映える。
青ヶ島には、今年も美しい春が訪れています。