20101029

フィデルとラモス







到着したのは、町はずれのバスターミナル。
辺りは真っ暗。しんと静まり返っている。

腹も減ったがまずは宿を探さねば。
取りあえず中心(っぽい方角)に向かって丘をのぼっていく。

この道であっているのか、、見知らぬ町。独りで歩く夜道。月影が鮮やかだ。

でも不思議だ。不安よりもその状況をむしろ楽しんでいる自分に気付く。
今のところ安心はない。が、自由はある。 

この道を登るか下るか、誰に話しかけるか、そして自分自身何を選択するか。
そういった類の自由だ。

旅の目的は決まっている。 
ただ、そこに辿り着くまでのルートは無限に存在している。

何を選び、誰と出逢うか。それによって旅の行き先が左右されていく。
そういう愉しみが一人旅にはある。



この後、町中のホテル、レジデンシア、アロハミエントことごとく断られることになる。
それもそのはず。3連休を利用して飛び出したのは、他の旅行者たちも一緒。
数多くあった全ての宿が満室。うーんこれは困った。ついに野宿かな、、?
夜の街の雰囲気を楽しんでいたが、そのうち街角でたむろしている人影が全て悪者に見えてきた。

1時間以上歩いたか。でも何とかなるかな。そんな気もしていた。

そうして辿り着いたゲリラのあじと。

"La Pasada del Guerrillera "(ゲリラの闘争)宿屋兼BARの看板が目に飛び込んだ。
店主のフィデルは残念そうに満室を告げた。
しかし、チェに会いに来たと告げるとどこかに電話をして地図を書いてくれた。

「ここに行けば部屋はある。オレの名前を言えば大丈夫だ。」

店を出ると、あやしげなヒッピーが声をかけてきた。
どうやら彼も宿を探しているらしい。どこかで見たような穏やかなラモスだと思ったら、
来る時のミクロで途中から乗り込んできたヒッピーだった。
そしてただでさえ少ないカンポに、後ろからかばんで攻勢をかけてきた。
ちょっとうざいなぁと思っていた、、

「じゃあ一緒に行きませんか、、?」

彼を信用する要素など何一つなかったが、きっと困っているんだろうなぁ。
気付いたら、なぜだかそんな紳士的な言葉をかけていた。

どうしちゃったのよ?オレ!?

2 件のコメント:

  1. ヨータローさん、久々の更新♪
    いつも楽しみにしてます!
    お元気そうで良かったです。
    僕も最近サボり気味で 笑
    書きたい時に書く、その方がいい言葉が出てくるから、無理して絞り出すのやめたんですけど、
    さじ加減難しいですね…

    そうそうヨータローさんが、リンクして下さってたおかげで、僕の写真がボリビアで展示していただけるそうで!
    写真撮ってて初めて展示なんて大それたことをしていただけることになって、ブルキナでひとり興奮しています!!
    ひとつ夢が叶いました。

    白黒いいですね。モノクロのフィルムが欲しい今日この頃です。

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  2. decchi!!
    いつもありがとうー^
    こちらこそ、いつも更新を楽しみにしています。
    そしてかなり刺激を受けています。いやほんとに。ちょっと嫉妬するぐらい(笑
    物事を多面的に見つめてるっていうか、もちろん純粋でアツいギャルソン的なところはあるんだけど成熟してるっていうか。

    あなたの表現には、人を動かす何かがあります。

    ”溢れてくる言葉を待つ”これは理想ですね。お世話になった作文の大家の先生の言葉です。

    「書きたい時に、書きたいことを、書きたいだけ書く」

    これが作文指導の極意だそうです。(小学生向けなのでオトナい当てはまるかはちょっとあれですが、、)

    また逆に、スポーツ的に言うなら、スランプ時にも続けることに意味があるそうです。言葉が浮かばなくて綴り続けることに意味がある。いつかそのトンネルを抜けた時には、新しい世界が、、!

    さじ加減ですね…

    ちなみにここの人たちは、コーヒーに多さじ3杯(多い人で5杯!?)砂糖をいれます。カフェ・コン・アスーカル(コーヒーに砂糖)ではなく、もはやアスーカル・コン・カフェ(砂糖にコーヒー)です。これも彼らのバランス。

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