太陽は東の空にのぼる。
そんなあたり前のことを、あたり前に感じるようになった生活。
路傍にある島百合の大きな蕾は、真っ白な花を咲かせ始めている。
新しい季節の始まりを予感させる、鮮やかな白。
そういえば、ニュースで梅雨明け宣言とか言っていた。
でも島は、梅雨時期特有の濃い霧に、再び包まれている。
じゃあ、この島の梅雨明け宣言はいつなの?
雷が夏の始まりを告げると、聞いた。
水平線に落ちる遠雷。
はっきりくっきり、でもぼんやりしているなあ。
でも美しい。闇に光る稲妻。海に落ちる光の矢。
そして、夏が始まる。
一日の終わりには、安らかな眠りを。
それぞれの場所で、それぞれの理由でたたかう友に。
今日も世界は、地球色に染まっているよ。
そういうことを、たまには思い出せばいい。
あの熱さとか、においとか、青い想いとか。
今日も太陽は、西の海にしずんでいく。
読んだよ 八重子
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