「世界がもっと平和にならないかな」そのために自分にできることは。 海原を漂う一本の流木のように、漂うままに広い世界を。そして海のないボリビアから浅草、そして青い島へ。まじめなことからフマジメなことまで。小さな島から日本を、そして世界を想う。
20110720
雨上がり
7月17日(日)
激しく打ち付ける雨が、南風の冬休みの終わりを告げた午後、
空はぼんやりと夕焼け色に染まり始めていた。
サンファンに「還ってきた」
たった1週間のラパス滞在ではあったが、妙にこの景色を懐かしく感じるのは、
赤く染まりかけた雲のせいだけではあるまい。
水たまりには雨上がりの空が映る。
自分の住む町に還ってきた。そういう確かな感覚を今ひしひしと感じている。
昨夜、サンタクルスの扉を開けた時に感じた空気の手触り。
東京から沖縄についた時のような、湿気混じりの空気の重さ。
明らかに高地のそれとは違う空気の感触に、懐かしさを覚えてしまったのはなぜだろう。
タクシーの運転手にラパスから帰ってきたことを告げると、
「サンタクルスは温かくて最高だろ?ラパスは寒いし、空気が薄いし人の住むところじゃない」とまくし立てる。
ラパスで出会ったタクシー運転手は、
「ラパスは最高だろ?美しい山に囲まれていて、気候だって涼しいところがあれば暑いところもある」と饒舌に語る。
確かに高地はからっとしていて、そんなに寒さが厳しいという感覚はなかった(朝晩は冷え込むが)。汗もかかない。虫もいない。坂が多いことと、ビールがぬるいことを除けば暮らしやすいのだろうなとも感じる。
以前お隣に住んでいたフナトのおばあちゃんは、ラパスの娘の家で元気に暮らしていた。サンファンにいたときよりもちょっとふっくらして元気そうだった。笑顔も自然だ。
ぶっちゃけ富士山より高い場所で暮らすのは大丈夫かと思っていた、、娘さん曰く「北海道生まれだから、一年中蒸し暑いところよりも少し涼しいところの方があっている」のだとか。
何はともあれ、元気な顔が見られて安心した。
住めば都。という言葉があるが、、
今、素直な感覚として、サンタクルスの方がいいなと感じている自分がいる。
それが、その土地で生活をする、ということなのかもしれない。
今は、「こっちの方がビールがうまいから」ぐらいの理由づけで止めておくとしよう。
「プロフェヨータロー!」
ヤパカニ行きの乗り合いタクシー乗り場で、アヤクチョ小学校の先生とその子供たちに声をかけられた。奥地の集落にあるその学校へ巡回に行くと、いつも歓迎してくれて「泊まっていけ」と言われる。7年生の長女と幼稚園生の妹ともけっこう仲良しだ。学校に行くといつも傍に来て声をかけてくれる。また学校で逢うのが楽しみだな。
握手をして、タクシーは走り去る。
約3時間の道のり。窓ガラスを激しい雨が打ち付ける。
こんなに降り続くのはこの土地ではめずらしいことだし、それに今は乾季だ。
フロントガラスの先は水しぶきで霞み何も見えない。こんなコンディションでの運転は慣れてないだろうな、、と考え思考を別に向ける。
ヤパカニに着く頃には雨は上がっていた。
サンファン行の乗り合いタクシーに乗ろうと、荷物を置くために荷台を開くと、
「プロフェヨータロー!!」
オブレロ小学校の3年生のロシオだ、、!あぁこの子たち知ってる。姉妹だったんだね。
まさかこんなところでも会うとは。。家族の誕生日ということで、例の休憩のまったくない極甘ケーキ(緑色のシロップでコーティング)を抱えていた。
助手席をお父さんとシェアする。目がロシオにそっくりだ。
「家でいつもプロフェヨータローの話をするんだよ。うちの娘はとても満足している。」
後ろを振り向くと、ロシオとそのお姉ちゃんが何だか楽しそうにはしゃいでいる。
実際、特別なことは何もしていないと思う。もともと子供たちや先生が持っていたものだ。ちょっと手伝って、背中を押してきただけ。でも、自分は幸せ者だ。先生をやっていて一番うれしいのはこういう瞬間。
サンファンに着き道を歩いていると、
「ヨータロー!!!」
ふと左を見ると、もとサッカーコーチのミルトンだ。しかも、角のポジョ屋の看板娘といちゃいちゃしている。いつの間にかに付き合ってたんだあいつらっ!?たった1週間の間に世の中は大きく変化しているらしい。
自分はこの町が好きだなぁ。
きっと、そういうのがその土地で暮らすという感覚なのだと思う。
短い2週間の南風の冬休みは、この雨とともに去る。明日から、学校が再開する。
この感じだと去年のように”寒い”からというだけの理由で、冬休みがずるずると伸びることはないだろう。
校舎にまた、子どもたちの声が響き渡る。
この町に来て、もう1年が経とうとしている。
いろいろなことがあったけど、今こうして明日の光を見つめている。
水たまりに映る、雨上がりの空。
今はそういうものに希望を感じる。
晴れやかなキモチで部屋の扉を開くと、そこには、、ボリビア生活史上最低の惨状が。。。
オリカエシノフリダシ
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何が起きてたの???
返信削除ムシくん???
何はともあれ、空気の濃い、情も厚い、子どもに囲まれている自分のホームへ戻ったね。
年末もみんなで語り合えるのを楽しみにしてます!
そうなんです。いろいろ濃いんです。。
返信削除ラパスは行く度にすきになるけど、やっぱり住んでいる場所がイチバンってことでしょうかね、、??
年末またみんなで食事して、飲んで、会議して、語って、歌って、怖い話しましょう~^
ワースト3事件については、そのうちブログに書きたいと思います。